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昔、喘息の発作の様なものが起きました。アレルギーだと言われしばらく通院しましたが、症状がなくなったため今は病院に行っていません。放置した場合、再び同じ症状が出る可能性はありますか?
気管支喘息を「治ってしまう」病気とは考えない方がよいと思います。もちろん、気管支喘息の患者さんの中には、いったん発作が起こっても治療によって症状がなくなり、その後10年、20年と長期間にわたって症状が出ない方も少なからずいらっしゃいます。その状態を、「治った」と考えるより「病気が眠ってしまった」と考えた方が良いと思います。長期間無症状でいても、カゼ、生活環境の変化、天候の急激な変化等をきっかけに喘息発作を再発することがあるからです。軽症の気管支喘息では治療を終了できることが多いわけですが、大切なのは、発作が起こったときに十分な治療を受け、治療の終了時期は主治医と相談しながら慎重に決定することです。自己判断で勝手に終了すると短期間のうちに再発するケースがよくみられます。
20歳の男子学生です。勉強中に突然、右胸のあたりに鋭い痛みを覚えました。しばらく横になっていたら痛みは弱くなったのですが、原因は何でしょうか?
いくつかの病気の可能性が考えられますが、自然気胸が最も考えられる病気です。自然気胸は、肺の表面に破れやすい風船のような嚢胞があり、嚢胞が破裂することで発症します。嚢胞が破裂すると肺は「パンク」した状態になり、急速に縮んでいきます。その結果、胸痛や呼吸困難や咳といった症状が出現します。破裂する原因はよくわかりませんが、気圧の変化が関係しているとも考えられています。運動は直接には関係がないようで、約50%の患者さんは安静時に発症します。
症状が出現したらすぐに医療機関を受診すべきです。病状が進行すると酸素不足になったり(呼吸不全)、胸の中で出血したりする場合があり(血胸)、緊急の処置を要することもあります。
治療は重症度によって異なります。軽症の場合は経過観察するだけでよいのですが、中等症以上になれば、指の太さくらいのチューブを胸の中に挿入して漏れた空気を抜いて肺を膨らめなければなりません。最近ではこうした処置に引き続いて、破裂した嚢胞を切除する手術療法が以前より積極的に行われています。以前はメスで広い範囲を切開して行う開胸術が必要でしたが、最近は小さな切開創で済む胸腔鏡による手術が主流となり、患者さんの負担は非常に軽減されています。手術しない場合の気胸の再発率は初回で40%、二回目で60%、三回目で80%と言われています。手術療法を受ければ、再発率は数%に減少します。
70代の父のことです。最近、家の中でちょっとした動作をしても息切れをするようになり、動きたがりません。病気の兆候でしょうか。若い頃から喫煙の習慣があり、現在でも1日1箱以上吸っています。
肺気腫、心不全、狭心症さらに肺の血管がつまってしまう肺血栓塞栓症などが考えられます。タバコに最も関係あるのは慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。タバコが肺に与える悪影響は肺癌だけではありません。1日1箱の喫煙を30年ほど続けるとCOPDになる危険性が高くなります。
COPDになると、体を動かしたときに息切れを感じるようになります。最初は、坂道や階段を上ったり、荷物をもって歩いたりするときだけ息切れを感じますが、病気が進行すると家の中でトイレに行くだけで息切れを感じたり、さらに進むと会話や着替えも息苦しくなってきます。
こうした息切れを感じたら早く医療機関にかかって検査をしてもらう必要があります。レントゲンの検査と肺活量の検査を受ければ診断は比較的簡単です。
COPDの肺は、残念ながら現代の医学では元の正常な肺に戻すことはできません。しかし、症状を軽くすることはできます。呼吸リハビリで呼吸法を修得したり、呼吸筋を鍛えたりすると息切れを改善させることができます。また、各種の薬を組み合わせることで、休み休みでないとできなかった行動を続けてできるようになることもあります。治療の前提は禁煙で、タバコによって進行していた病気にブレーキをかけることが大切です。
インフルエンザはどんな病気ですか?風邪とどこが違うのでしょうか?
インフルエンザは、通常の風邪とはまったく異なるウイルス性の病気です。例年、1月から2月に流行のピークを迎えます。高熱と鼻水、のどの痛みなどの症状が急激に出るのが特徴で、強い感染力を持っています。通常は1週間ほどで症状が改善します。が、体力のない高齢者、肺や心血管系の慢性疾患を持つ方、糖尿病・腎臓病・血液疾患を持つ方などがかかると重症になりやすく、肺炎などの合併症を起こすと命にかかわる場合があります。医療関係者の間では、「老人の最後のともしびを消す病気」と呼ばれています。市販されている風邪薬で治すことはできないので、症状が現れたらすぐに医療機関を受診してください。
インフルエンザは予防することができますか?
インフルエンザにかからないようにすることはできませんが、ワクチンを接種することで、感染しにくくし、また感染しても軽い症状ですませることができます。ワクチン接種はインフルエンザの大流行を防ぐ最大の対策とされています。
どんな人が接種を受けるべきですか? 体力に自信があれば予防しなくても大丈夫でしょうか?
高齢者やA.1に示した慢性疾患を持つ方にはワクチン接種を強くおすすめしています。65歳以上の方への接種については、自治体による補助があり、負担額が軽減されていますので、医療機関や市町村役場に確認してみてください。
また、そうした方を看護している方や、一緒に暮らしている方も接種した方が良いでしょう。さらに、仕事などでお年寄りや乳幼児、慢性疾患を持つ方とふれあう機会の多い方も、予防を心がけた方が良いことは言うまでもありません。一人一人の心がけが大流行を防ぎ、インフルエンザによる死者を少なくすることにつながると言えます。
接種を受ければ人に感染させることはないですか?
接種を受ければ感染しても軽い症状ですみますが、ウイルスの感染力そのものは変わりません。自分の症状が軽いからと職場や多くの人が集まる場所に出かけて行けば、他人に感染させてしまう可能性があります。ワクチンを接種しても発病してしまった場合は、マスクをする、症状がなくなるまで外出を控えるなど感染予防に努めましょう。
ワクチンはいつ頃、どこで接種すれば良いのでしょうか。
流行が始まる前、11月から12月上旬にかけて接種するのがベストです。以前は2回接種でしたが、現在では13歳以上は1回の接種で良いことになっています。ワクチンを接種すると、2週間ほどでインフルエンザに対する抵抗力がつき、その効果は3〜4ヶ月続きます。早めに接種をして流行のピークに備えることが大切なのです。 接種は、最寄りの医療機関で受けることができます。当クリニックでも予約を受け付けておりますのでお訊ねください。
インフルエンザの流行が始まりました。インフルエンザの予防接種をまだ受けていませんが、今からでも間に合いますか。また、接種すればぜったいに感染しないのですか。
インフルエンザは、毎年12月頃より徐々に増加し1〜2月に流行のピークがあります。ワクチンを接種すると2〜4週間ほどで抵抗力がつき、3〜4ヶ月間効果が持続するといわれていますので、逆算すると11月頃に接種するのが良いことになります。ただし、インフルエンザの流行が始まってからでもワクチン接種の意義はあるといわれていますので、今からでも実施されるようお勧めします。 ワクチンの予防効果は100%ではありません。健康成人の発病予防の効果は70〜90%(ワクチンの接種をしなかった人が100人発病したとすると、その内70〜90人の発病はワクチンで予防できるということです)、お年寄りの入院予防効果は30〜70%といわれております。なお、このワクチンは普通のカゼに対する予防効果はありません。
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